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2017年6月21日(水)

 作家・山根一眞氏をゲストに第三回定例研究会を開催

第三回定例研究会

 2017年6月21日、首都大学東京秋葉原キャンパスにおいて、第3回クリマデザイン定例研究会が開催され、設計事務所、ゼネコン、大学などから15名が参加されました。

 

 今回のゲスト・スピーカーはノンフィクション作家として知られる山根一眞氏。山根氏は阪神淡路大震災の教訓をもとに18年前につくった自宅をまず紹介。飲料水を確保するため井戸を掘り、地下水を熱源にPSによる放射冷暖房を採用、さらに屋根に虹の見られる人工降雨装置を工夫、使った水は捨てないで4.5トンの貯水槽に溜めていることを説明。資金もかかり、失敗もあるが、自宅は自らの知見を実践に移す楽しい実験場だと話されました。また自ら教授を務める独協大学のエコキャンパス計画についてふれ、壁面緑化、通風計画、クールチューブ、デシカント空調、里山の再現までエコロジカルデザインの教科書のような壮大な計画が着実に進行していることを紹介してくれました。山根氏は今最も興味を持っているというクモの話や地球規模の気候変動の話にも言及し、話題の引き出しの広さに参加者一同魅了されました。

 

 また、建築事例として竹中工務店東関東支店の改修計画について髙井啓明氏(竹中工務店)から紹介がありました。

改修の特徴として、ゼロエネルギーの実現、施設を使用しながらの改修、パッシブな自然換気、ダブルスキン、両面採光、放射空調、デシカント空調による湿度コントロールなどが挙げられました。特にワークスペースと供用ゾーンを分けるなど、これまでの働き方を変えていくことと改修計画が対になっていること、すなわちザインとアダプテーションの統合が図られていることに、これからのクリマデザインの方向性がうかがえると、参加者の関心が集まりました。

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